2017年12月31日日曜日

ゆく年くる年 2017

2017年の大晦日。
いつも猛吹雪の峩々は珍しく音もなく時より月が顔を出す静寂に包まれています。
お客様への年越し蕎麦を出し終わり、1年を振り返るこの時間が何よりの幸せです。

長男が保育園に通うようになり、仕事に加えて子育てが違った自分を発見できた1年だったと思います。
すくすくと大きく成長する姿をただただ喜べれば良いのですが、峩々温泉の後継者として、1人の人間として向き合う緊張感が常に存在しています。
それは私にとりましても、彼にとっても大変有意義な時間なんだと改めて思います。
妻の頑張り、母の優しさ、弟夫婦のサポート、古参従業員の家族以上の愛。本当にありがたく、心から感謝しています。
8月に父を亡くし、経営者として身の引き締まる思いで過ごしてきましたが、ようやく自分の峩々温泉になっていくために走り始めた気がしています。
経営の目的は「永続」と言い続けてきましたが、父の死をもって改めてその意味を噛み締めています。
生前にお世話になった方々へお一人お一人にご挨拶をさせて頂きながら、私は少しづつ六代目になっていくのだと実感しました。
親を送り初めて一人前にならせて頂くのだと誰かが言いました。
その本質が、父の生き様が、父の死が最後に私を後継者に育て上げたのだと思います。
本当ならば大晦日は家族で父の生前の思い出話をしながら、新年を静かに迎えるのが習わしだと思います。しかしながら我々は旅館をなりわいに生きていく人間です。
訪れる旅人がいる限り、その皆さんの思いを自らのロマンにかえていく。それを喜びにかえ、湯を守り続けていく宿命なのだと思っています。
これからも峩々で暮らし、しっかりと後継者を育てていきたいと考えております。

【ラジオ番組】
7月から半年間、ラジオ番組を持たせて頂きました。
とにかく新鮮で楽しかった。何もわからず体当たりしました。
自分の考えていることを言葉で発信することの面白さ、難しさを体感しました。
伝えたかった事の半分も言えませんでしたが、それが今の自分のレベルなのだと再確認する良い時間でした。
スタジオでの収録はいい刺激になり、ゲストで出演して下さった方々とも親睦が深まり、良いこと尽くめだったと思います。

【地域への貢献】
わが町はイノシシなどによる田畑への被害が深刻化しています。
今年から本格的に地元猟友会の有害鳥獣捕獲隊として活動してきました。
農業家の高齢化、耕作放棄地の拡大、収穫高の激減。大きな問題を抱えています。
地元食材を提供する事ができなくなる。という問題に直面し、地元の有志でイベントをしたりNPO法人を立ち上げたり10年以上にわたり活動を続けてきました。
この度の活動もその延長線上にあります。
誰かがやってくれるだろうでは済まないレベルになろうとしています。
私は旅館を運営するかたわら、この活動をライフワークにしようと思っています。
有害鳥獣として駆除された野生動物を、もっと活かす方法を模索しています。
そしてそのおかげで守られた農作物をどんどん世に出していきたい。
双方を両立させた事業展開を考え、町づくりの下支えになりたいと考えています。
50歳になるまでに何とか形にしていくのが、今の目標です。
具体的なプランがお知らせできるように頑張りたいです。

【本を出版したい】
後継者を持つ経営者に向けた育児書を書きたいと思っています。
ビジネス書ではなく、エッセイでもなく、育児書です。
私は六代目として生まれ、現在は七代目を育てています。
自身の足跡と共に、環境や教育や人との出会い、気付きや学びを後継者に伝える本を出版したいと考えています。
それを書き始めようと思います。
旅館業界では後継者育成と称し、的外れな勉強会や研修会を企画しています。
目的が後継者を育てることだから的が外れるのだと思います。そして我々のような小規模旅館は業態、家族構成などによって独特の経営スタイルをもちますので、あくまでもその育ってきた環境が重要になります。
旅館の永続が目的で、その運営責任者になることは歴史の通過点なのです。
峩々温泉は永遠ですが、父のように館主はあっけなくこの世を去ります。
もっともっと深くこの仕事を掘り下げるために、きちんと文章にして残したくなったのです。
子供が成長するにつれてその思いが大きくなりました。
定年が無いこの商売ですが、選手生命は短いのだと知りました。
長い下積み生活がようやく終わり、自分の船を来年からやっと漕ぎ出せるのです。

【旧友との再開】
大学を卒業し、しばらく音信不通だった友人から連絡がありました。
家族を連れてはるばるアメリカから一時帰国する折、宿泊してくれました。
活躍の場をロサンゼルスにして約20年。彼はがむしゃらに走り続けてきました。
話は尽きること無く、将来の夢を語り合いました。
ある程度の社会的な信頼とキャリアを身に着けた彼は、安住の地を求めることはありませんでした。
保証されたポストを捨てて、また新たな夢へ前進すると。
私はここ数年、こんなにキラキラした気持ちになった事はありませんでした。
旅館の経営に没頭し、人生について考える時間はあまりなかったと思います。
自らのライフワークをしっかりと考えて、また新しいチャレンジをしていきたいと思います。
夢は必ずかなう。叶えたいと思う自分がいる限り。そう彼は言い残して日本をたちました。
来年は彼に会いに行こうと思います。自らの新しい人生を踏み出すために。


今年も色々な事がありましたが、何とか無事に終われそうです。
あと数十分で新年がスタートします。
健やかな元旦を迎え、本当に良い年になりますようご祈念申し上げます。

2017年9月15日金曜日

泉マルシェ2017 ベルツ出店

【開催日時】
2017年9月16日(土)
11:00〜17:00

【場所】
仙台市営地下鉄 泉中央駅 ペデストリアンデッキ

【メニュー】
・自家製ソーセージの盛合せ(2本) 600円
・熟成ベーコンのステーキ(1枚) 600円
・ボロニアソーセージステーキ 500円

・ヱビス(生) 500円
・モヒート(バカルディ・ラム) 400円
・ベリーニ(マルティニ) 400円
・サングリア 400円
・スパークリングワイン 400円

・ノンアルコールビア 300円
・レモンスカッシュ 300円
・クランベリーソーダ 300円
・ノンアルコールモヒート 300円


フランス風屋外市「マルシェ」を演出した会場での販売中心イベント。
新鮮な食材、加工品、パンやお菓子などの食品をはじめとし、ガーデニング、雑貨、アンティーク、手作り品など140ブースが出店。
気軽にドリンクや美味しいフードをお楽しみ頂けるカフェスペース。
ぜひお待ち申し上げております!



2017年9月5日火曜日

定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル 27th


第27回 定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル
今年も
森のソーセージレストラン ベルツ
出店させて頂きます!ぜひ遊びに来て下さいませ。


【メニュー】
● 自家製ソーセージの盛合せ(2本) 600円
● 熟成豚バラベーコンステーキ     600円
● ボロニアソーセージステー      500円
● ヱビスビール(生)         500円
● カクテル各種            500円

【営業時間】
9月9日(土)・9月10日(日)両日ともに11:00〜19:30


【オフィシャルサイト】
河北新報タイアップエリア・オフィシャルサイト

定禅寺ストリートジャズフェスティバル・オフィシャルサイト

NHK仙台放送局にお邪魔してきました

昨日、さっそく伺ってまいりました。
仙台放送局の正面玄関の自動ドアが開くと、受付がありその左手に8Kシアターがありました。
20名程度が座れるようなこじんまりとした開場で、関係者の方々や一般視聴者の方もちらほらいらっしゃいました。
映像もさることながら、やはり音響が素晴らしかった。
臨場感がすごいですね。
本当にその場に居るような感覚になりました。
映画のような迫力とは違い、本当に繊細な音。そして静寂までもが感じられる素晴らしい環境でした。
明日からも3日間開催されますので、ぜひお近くにお立ち寄りの際はご覧いただきたいと思っております。

2017年9月1日金曜日

NHK「小さな旅」仙台放送局にて8K上映

以前、NHKで当館の様子が放送されました小さな旅
ご覧いただきました皆様には、心から感謝を申し上げます。
新緑をテーマに蔵王の様々な魅力を素晴らしい映像によって表現された、本当に素晴らしい番組でしたね。
私どももお客様からのお問合せが多数あり、ありがたく思っております。
さて、この度は当番組をもっと楽しんで頂くためのご案内をさせて頂きます。

NHK仙台放送局にて8Kでの上映開催が決定したしました!

8K・HDR(ハイダイナミックレンジ)・22.2chサラウンド。
その映像や音声のクォリティを100%ご覧いただけるチャンスです。
8K試験放送は市販のテレビでは受信ができないため、宮城県内では唯一NHK仙台放送局のみで視聴することができます。
迫力ある映像と音を体感してください。


【場所】
NHK仙台放送局 1F「8Kシアター」

・入場無料

アクセスのご案内
 仙台市青葉区錦町1-11-1


【日程・時間】
9月4日(月)11:00~
9月6日(水)11:00~
9月7日(木)11:00~
9月8日(金)11:00~



【WEBサイト】
NHK仙台放送局見学ガイド

NHKスーパーハイビジョン

2017年8月4日金曜日

峩々の売場は全て手書きPOPです!

峩々温泉の談話室にあるおみやげ売場では、Tシャツなどオリジナルアパレルやグッズをはじめお菓子や食器を販売しております。
また、献立表や館内案内なども含めてPOP類は手書きで行っております。
















こちらのPOPは井口裕子さんに描いて頂いたもの。
さすがにプロですね。絵や書体、紙などにもこだわって作り込まれています。


このメニューは私が書いたものです。まだまだ先は長いですね…。
お伝えしたいことは自らが手作りで思いを込めること。
活字よりもより言葉に近い感覚で表現してます。




これらは自己流ではなく、ちゃんとお手本があります。
色使いや書体、使用する道具や紙などある一定のルールに基づいて書くことが大事なのだと言います。
いつもPOPのアドバイスを頂いている井口裕子さん。
私の前職の後輩でもありますが、このたび新刊が発行されます。
前にも本は出されてますが、さらにパワーアップした内容で楽しみですね。



売上が伸びる手書きPOP
売上が伸びる手書きPOP
posted with amazlet at 17.08.04
かんき出版 (2017-08-07)

BBQシーズンに!オリジナル 缶クーラー発売です。

ビールがおいしい季節。これからキャンプやBBQなど屋外活動が増えるシーズンです。冷たい飲み物は気温が暑いからこそ美味しいのですが、それゆえぬるくなるのも困ります。
夏本番!
峩々温泉・レストラン ベルツ オリジナル缶クーラーのご紹介です。


左から「峩々ロゴ」「ベルツロゴ①」「ベルツロゴ②」「BACON MANIA」
各5個 限定生産 峩々温泉売店・レストランベルツにて8月11日から発売開始。



350ml缶のビールやジュースがそのままスッポリと入り、保冷してくれます。
缶クーラーを付けたまま飲みくちを空けて使用できるので、BBQやキャンプ時に大活躍してくれます。
驚きの保冷時間で、デザインもシンプル、そして頑丈、おしゃれなデイキャンプにピッタリです。
ステンレス真空断熱構造につき、クージーとは比べ物にならない保冷力です。

材質/本体:ステンレス銅

2,900円(税別)



ビールやジュースの350ml缶用に作られています。



プラスチック製のフタを取り外して中に商品を入れます。
ピッタリと缶が入っていきます。



フタをねじ込んでいきます。ジャストフィットで設計されているため少しコツがいるようですが、すっきりとはまります。逆さまにしても缶が落ちてくるような事はありません。
缶をセットしたら、後はプルトップを空けるだけです。


【ベルツロゴ①タイプ
定番です。ソーセージのパッケージなどで使用しているオーソドックスなデザイン。店舗の外観をデッサンしたものです。ベルツのソーセージでバーベキューをする時はぜひこちらを仲間に入れて頂きたいです。
プリントカラーはグリーン。

 
【ベルツロゴ②タイプ
お店ではテイクアウト用のビニールバッグにプリントしている物と同様、おなじみのデザイン。キャンプ道具の1つにぜひ加えて頂きたいアウトドア向きな仕上がりになりました。
プリントカラーはブラック。


 【BACON MANIA(ベーコンマニア)
ベルツのベーコンファンに皆様に向けてデザインさせて頂きましたパロディー版。
ベーコンが大好きでしょうがないマニアの方はぜひ持って頂きたいアイテムです。
お部屋やベランダ、庭先で使って頂いてもよろしいのではないでしょうか。
プリントカラーはブラック。




【峩々ロゴマーク
峩々温泉のオリジナルロゴマークを中心にしたシンプルな大定番。保冷効果はもちろんですが、ホットドリンクも温かさを逃さず、長く使って頂けるかと思います。
プリントカラーはブラック。

2017年7月18日火曜日

東北学院大学 経営学部 戦略提案発表会

今年も継続して講師をさせて頂きました。
東北学院大学 経営学部のみなさんに蔵王の活性化についての戦略提案をして頂きました。
宮城蔵王エリアにおけるビジネス・ケースとして、地域における企業(峩々温泉)と社会の関係性について学生や学術研究会が中心となってアイディアを出し合う、大変貴重な時間を頂きました。

6班に分かれて様々な角度から活性化戦略を構築していき、私が最後に総評を行いました。
大変おこがましい事ではありましたが、せっかくの機会を頂きましたのでつとめさせて頂きました。

学生の皆さんからのアイディアの中で、ネット活用や日帰り入浴の再開、また既存顧客へのアプローチなど宿で即実践できるような販売戦略はとても興味深い内容でした。

その他、蔵王エリアでの農業体験やインバウンド受け入れなど本当に面白いアイディアばかりでした。
できることならそのまま行政に持ち込んで、町を巻き込んだ戦略にしていきたいと思いました。
学生がのびのびと発言できるラボがわが町にできたら素晴らしいです。
空き家や耕作放棄地の問題が山積みになっている現在、全く違った思考でそれらを突破していけるような気がしました。

大学と行政をつなぐ担い手として、これからどんな事ができるかチャレンジです。
講師をさせて頂く機会もこれからどんどん増やしていきたいと思います。

2017年7月16日日曜日

FMラジオ番組スタートさせた理由「大切な言葉で伝えたい」

7月からFMラジオ番組をさせて頂く運びとなりました。
番組名はこのブログタイトルと同じで「峩々温泉 六代目のひとりごと」とさせて頂きました。

なぜラジオ番組かと言いますと、1番はみなさんに自らの考えを声で伝えたい。
そう率直に思ったからです。
一般的にプロモーションをやり続ける理由は「販売促進」「集客」「売上増」です。ですが、それだけではかなり寂しい。寂しすぎる。
耳障りの言い言葉を並べてお客様を捕まえる。良くも悪くもネット環境の構築が早く注力した宿ほど、高い業績を得ている事でしょう。しかしいったいその先にお客様とどんな関係性が生まれるのだろう。
もっとシンプルに、お得意様と会話をしているような気持ちで伝えられるツールを探していました。不特定多数の見込み客にめがけた方策ではなく、既存のおなじみさんと談笑をしているような番組を作っていこうと思っております。
再放送を含め、毎週やっておりますのでぜひ聴いて頂ければ幸いでございます。
とにかく不慣れな事ですので、多少お聞き苦しい点もあろうかと存じますがなにとぞご容赦下さいませ。
よろしくお願い申し上げます。


【番組告知】
仙台市のコミュニティFM ラジオ3(ラジオ スリー) 76.2Mhz
「峩々温泉 六代目のひとりごと」

●放送日/月曜日 19:30〜20:00
●再放送/日曜日 21:30〜22:00

※仙台市内以外の方でもパソコンやスマホアプリで聞く事ができます。

◇サイマルラジオ…http://www.simulradio.info/
こちらのバナーが目印です!


現状、私自身からの発信ツールとして、まずブログがあります。Facebookページや最近ではInstagramもはじめました。
ちょっと変則的ではありますがWebに関してお客様から見た場合は、それに加えて各Web旅行サイト等の口コミなどによってお客様は情報を収集して頂いております。口コミサイトに関しては賛否ありますので、私の意図とは違った感覚で活字になってしまっている場合もあります。
当初は発信の手段が沢山あればあるほど、お客様は便利に活用して頂き良い事だと思っておりました。しかしながらここ数年の事を振り返ると、少し軌道修正が必要である事に気が付きました。そして行動に移してみることにしました。
それがラジオ番組です。

まず、Facebookページをはじめてからブログの更新頻度が格段に落ちてしまった事。これは本当に反省しています。お客様からの「いいね!」というリアクションやコメントが日々の励みになり、アップする手間も少ないですし、比較的気軽に更新することができます。実名でのリアクションは内容に信用度が増しますので、とても良いと思っておりました。さらにInstagramはほぼコメント無しで画像や動画をアップすることができます。それにより、しっかりと文章を考えて書いていたブログの更新がどうしても後回しになってしまい。近年では大きなイベントの告知や、テレビ・雑誌の取材などが中心となりました。日々の業務や本当の意味での「ひとりごと」を書かなくなってしまったように思います。
人間の脳には制限があり、何かを始めるとすれば何かのクォリティが低下します。
薄まった物を幅広く行うか、何かを止めなければいけないのだと思いました。
何事もバランスが大切なのでしょうけど、それを自らの感覚で続けるには段階に応じて修繕が必要です。それがこのタイミングだったのかもしれません。

お客様に来館して頂きたいという思いは変わりませんが、それが作為的であってはいけないと思います。それらを集客戦略と称し、さも自分の宿が優位に進めていると思っているのはとても危険な事だと思いました。その宿がどんな目的でお客様を迎えているかをもう一度考える機会なのだと思いました。
特にネット環境での予約のやりとりやレビューなど、旅に関係するコミュニケーションレスが常識化していくにつれてその本質を生の言葉で伝えていきたいと思ったのです。
言葉が介在しないがゆえに起こりうる認識の不一致。そのストレスはまたネットの口コミサイトというはけ口に戻っていく。それが循環して何かがおかしいと気付ければまだましですが、それが蔓延化して生活のベースになってしまうのを恐怖と捉えても決しておかしくはないと思います。


以前、小さな子供を持つ親向けに行われた講演の内容の中に...。
「スマホ依存の家庭に潜む危険性」
という内容で、スマートフォンを始めとするメディアに子供の心がむしばまれてしまう危険性に着目した素晴らしい研究の結果を拝聴させて頂きました。

赤ちゃんの頃から日常的に映像メディアに触れ続けているとコミュニケーション障害、脳の慢性疲労が原因となった笑顔のない、大人になれない子供が増えていいく。というお話です。
スマホやゲームをしすぎると「笑顔」が消えていくと言います。それは単純にバーチャルの世界に依存し、現実の社会から逃避した姿という簡単なものではなく、脳の慢性疲労によるサイン、いわゆる「疲れている子供」を作り上げます。
言葉や笑顔は人間の心の現れ。
自らを表現するコミュニケーションにとって、最も大切な手段だと思います。
脳機能の中でそれを作り出し、神経を司っている前頭葉の発達が遅くなると、内分泌機能や免疫機能が著しく低下すると考えられています。
お腹が痛い。頭が痛い。めまいがする。といった症状が起こって病院に行っても「原因不明」と診断されるケースがこれです。

まだ講演の前半ではありましたが、隣の方の行動を見て大きなショックを受け私はひとつの答えを見出しました。
隣りに座っているお母さんは講師が脳科学的な少し難しい話しをした矢先、すっとスマホを取り出しテキストでその手元を隠しながら何やら数分間にわたって画面を直視しておりました。
わたしはゾッとしました。スマートフォン依存の話しをしているさなかです。
園児の母親がこれでは主催した保育園の先生方もさぞ落胆の気持ちでしたでしょう。
でもそれは他人事では決してありません。
その方を横目に、自らも多かれ少なかれメディア依存している事に気が付きました。
常に脳が疲れている状態。自覚しました。見に覚えが沢山あります。
他人のふり見て我がふり直せとは良く言ったのものです。
子育てを子供の世話をすると捉えるのではなく、子供と一緒に育とう!と思いました。



脳の障害は潜在的、長期的にどんどん進みます。
例えば学力・スポーツ力の低下。学問もですが、スポーツも一流の選手はイメージ力が大事だと言われています。サッカーでしたらボールがどのように跳ねるか、蹴った玉はどのようにして飛んで行くか。という事です。
テレビやゲームで遊んでいる時は主に後頭葉が働いて前頭葉は働かない。何も考えないで嫌な事を忘れられる、気分転換には最適な行為です。前頭葉は注意力や記憶力、イメージ力を司りますので当然学力や運動能力に直結する部分です。先生によればスマホアプリを利用して勉強してもダメなのだそうです。ちゃんと辞書を引いてわからない事は調べないと身につかない(脳が機能しない)そうです。
前頭葉は、言葉を道具として自分の気持ちを伝えたり相手に自らの考えを理解してもらったり、コミュニケーション力を司っているそうです。それらの発達は相手を尊重して、自らを助ける自尊心が芽生える大きな役割があると考えられています。

何年か前に出席した旅行代理店の総会。その席で挨拶をした代理店の社長が「窓口の社員を教育して頂きたい」と言いました。社員教育は会社がやるもので、どうしてクライアントにそんな事を言うのかと疑問符を抱いたことがあります。その内容はお客様と接する場合はマニュアルがあるので、良くも悪くもそつなくこなしていくのだが、対旅館・ホテルとのコミュニケーションを取るのが不得意な傾向にある。それは電話やFAXなど必要情報のやりとりなので、会話がすべて「せりふ化」されている。旅館側から「元気ですか?」「この旅行商品は売れてますか?」など問いかけをしてもらいたいと。最初は変な事を言うもんだと思っていましたが、ふと考えてみると旅行代理店にとって旅館はお客様でもあります。旅館を紹介する事で「送客手数料」を得て商売が成り立っている。しかしながら、文字通り「客を送っている」側からすると立場が上のように勘違いする人間もいるという事です。旅行代理店の社長の言いたいことはきっとこうだったのでしょう。代理店側と旅館側のコミュニケーションを密に取って、お客様により良い旅行を提供していこうと。旅館側も「送客して頂く」の業務に慣れてしまわず、もっと基本的な部分に立ち返って、これら旅に出る方々に思いを馳せて良い仕事をしましょう。と考えて発言したのだと思います。旅館側も代理店側も機械的な「セリフ」のやりとりだけで、顧客を物のように扱ってはいないか?という問題提起をしたのだと思います。
大量販売にはマニュアルが必須です。沢山の人が平均的な価値の仕事をする上で最も大事だと思います。大手の旅行代理店にはマニュアルが必要ですが、我々には必要ありません。会議も必要ありません。ましてや会議で個人をやり玉に挙げるような事など永遠にありません。お客様の声を聞いて、会話をし、スタッフで会話をし、「◯◯様」から「◯◯さん」と呼べるように、「いらっしゃいませ」から「おかえりなさい」と呼べるようになりたいと思っているだけです。
旅館をブレイクさせる事よりも、しっかりとこの地に住み続けたいだけなのです。
この素晴らしい蔵王の峩々に住み続けるために旅館は永続させなければならない。
旅館を永続させている以上、旅人を待ち続けるのが私の人生のテーマ。
人間がものを考えなくなる。世の中がものを考えなくする。それも人間が考え出した事なのです。でも、少なくとも私達は訪れる旅人のために考えて、大切な大切な言葉で伝え続けたいと思います。

最後にご講演頂きました田澤雄作先生に心から感謝の気持ちをお伝えします。
ありがとうございました。

メディアにむしばまれる子どもたち―小児科医からのメッセージ
田澤 雄作
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2017年6月18日日曜日

山岳ライター 高橋庄太郎さん再訪


以前、PEAKSの取材でお世話になった山岳ライターの高橋庄太郎さんが再び峩々を訪れました。

1年ぶりの再会でしたので、話しに花が咲きました。
仙台出身の高橋さんにとって蔵王は特別な場所だそうです。
我々も蔵王に住むものとして、大切にしていきたいと改めて思いました。
当館掲載号にサインを頂きましたので、ご希望のお客様へはフロントにて販売致します。

2017年6月2日金曜日

東北学院大学経営学部 ビジネス・ケース研究

東北学院大学 経営学部の皆さんにご来館を頂き、講演をさせて頂きました。
「蔵王地域における企業と社会の関係性」と題して、旅館の現状だけではなく蔵王の歴史や取り組むべき課題などについてお話しを致しました。
母校である本学のOBとしてお役に立てればという思いでお受けしましたが、学生の方々にお話しするのは本当に難しいです。でも、その半面楽しさもあります。
題材を真剣に取り組むことで、自分自身の考え方を見つめ直す事ができます。
相手にわかりやすく説明できるまで熟慮する必要性があり、その答えは時間の経過によって変化もします。
新しい発想や物事の根源、世の中の原理原則を再考する良い機会なのです。
いつもと同じように毎日を過ごすかたわら、自分にしか描けない未来に胸を熱くする時があっても良いと思います。
数年前から本学に携わらせて頂いておりますが、今後もこういった活動は続けていきたいと思っています。


講演が終わって質疑応答の時間。学生の皆さんから矢継ぎ早に飛び交ってきます。
それに即答していく緊張感が、何とも身の引き締まる思いでした。
私が学生の頃はこんなに真剣に取り組んでいなかったと、少し反省。


総勢40名以上の大所帯でお運び頂きました。
蔵王の地域資源を深く知り、様々なビジネス・ケースを発表して頂きたいと思います。
来月の発表会が楽しみです。
担当の矢口先生をはじめ各教授の皆様、ゼミ生や受講された学生の方々に感謝申し上げます。



経営学部 学部案内にも掲載して頂いております。


2017年5月19日金曜日

【ベルツ出店】仙台・青葉まつり 勾当台公園 市役所前 市民広場

明日からの2日間、仙台・青葉まつりに出店させて頂きます。
仙台三大祭り第33回 仙台青葉まつり
今年は伊達政宗公生誕450年という事もありまして、開催前から盛り上がっております。

日時:5月20日(土)21日(日)11:00〜
場所:勾当台公園 市民広場 (⑪のブースです)

・自家製ソーセージ 600円
・自家製ベーコンステーキ 600円
・ドイツビール生 500円 など

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

2017年5月5日金曜日

【ラジオ ゲスト出演】むらちゃんのラジオ土樋クリニック ラジオ3

このところおなじみの仙台のコミュニティFM ラジオ3(ラジオスリー) 


むらた日帰り外科・WOCクリニック 院長 村田幸生先生のラジオ番組に出演させて頂きます。
「むらちゃんのラジオ土樋クリニック」30分番組


・5月6日  (土)9:00〜
・5月13日(土)9:00〜 再放送

・5月20日(土)9:00〜
・5月27日(土)9:00〜 再放送


・FM 周波数 76.2MHz



仙台市以外の方でもサイマルラジオで聞くことができます。
またスマートフォンのアプリでも全国の地方局FM放送が聞く事ができます。
ぜひお聴き逃しなく!

2017年3月3日金曜日

ラジオ出演『爆笑コメディアンズのお仕事ください!』ラジオ3

仙台のコミュニティFM ラジオ3(ラジオスリー) 
吉本芸人の爆笑コメディアンズさんの番組に出演させて頂きます。
「爆笑コメディアンズのお仕事ください!」30分番組
・3月3日(金)12:30〜
・3月4日(土)21:00〜 再放送
・FM 周波数 76.2MHz

仙台市以外の方でもサイマルラジオで聞くことができます。
またスマートフォンのアプリでも全国の地方局FM放送が聞く事ができます。
ぜひお聴き逃しなく!

2017年2月2日木曜日

ラジオ3 マイタウンレディオ 生出演 無事終了致しました!


おかげさまで、ラジオ生放送の初出演が無事終了致しました。
放送前の打合せも和やかに進み、本番も緊張する事なく全員が楽しく話しする事ができました。
ラジオという媒体から発生するコミュニティ。
スマホアプリを使って世界中の方々に発信できるという可能性。
番組を作り上げていく過程で気がつくお客様の旅心。
たった数分間の番組に込められた思い。
私はこのような空間だったり、緊張感だったり、思いを馳せる気持ちだったり、その刹那な感情を一点に込められる仕事が好きです。
観光PRに伺った数時間でしたが、大変貴重な経験と学びをもらいました。
これからもこのような機会を頂けるように、毎日発声練習をしないといけませんね。

お聞き下さいました方々をはじめ、放送終了後にお問い合わせを頂きましたお客様に心から感謝を申し上げます。
そしてパーソナリティの鈴木悦子さん、ご縁を頂きました遠藤順子さん。本当にありがとうございました。


2017年1月31日火曜日

ラジオ3「マイタウンレディオ」に生出演致します!

明日、仙台のローカルラジオ【ラジオ3】のマイタウンレディオに生出演致します。
内容は先日当Facebookなどでもご紹介させて頂きました宮城の特産品ギフトボックスのPRでございます。
ミヤギテレビ OH!バンデスの収録風景(2016.12.22撮影)
宮城県の旅館組合が協力して作りましたこの企画。大変ご好評を頂いております。
そこでラジオでも告知させて頂こうという趣旨でございます。
ぜひお耳にかかれば幸いでございます。
よろしくお願い申し上げます。

2017年2月1日 15時〜生放送

※仙台にお住まいで無い方も、インターネットラジオやスマホアプリなどで聞く事ができます。

2017年1月24日火曜日

PEAKS【ピークス】2017.2 掲載

昨シーズンに取材をして頂きましたピークスがこの度発売になりました。
山岳ライターの高橋庄太郎さんに同行し、冬の蔵王をご紹介させて頂きました。
巻頭特集8ページとたっぷり読み応えのある内容になっております。
ぜひ書店などでお手に取って頂ければ幸いでございます。
 庄太郎さんとは2012年にpatagonia 仙台ストアで行われたトークイベントで知り合いました。仙台出身の事もあり、イベントの後は蔵王の話しなどで盛り上がりました。
ぜひ機会があれば峩々にもお立ち寄り頂きたいと思いをお伝えしました。
ですが、まさか同行取材などとは夢にも…。


一昨年、庄太郎さんから突然お電話を頂きました。
厳冬期の蔵王を取材するので一緒に来て欲しいと。
私は冬山は全く未経験ですし、それぞれのルートは歩いたことがありますがやはり自信が無かったので戸惑いました。
しかしながらせっかくお声を掛けて頂きましたし、庄太郎さんと山を歩けるなんてチャンスをもらえてた事そのものに心踊りました。
バックカントリーなどで親しんだ冬の蔵王ではありましたが、こうやって「歩く」事で様々な学びがありました。
スキーヤーの見方、登山家の見方はやはり似て非なるもの。
私に登山の魅力を気付かせてくれた貴重な1泊2日になりました。
庄太郎さん、そしてカメラマンの矢島慎一さんにも心から感謝を申し上げます。

まずは初日。山形蔵王側からロープウェイで山麓駅までアプローチ。
ダイナミックな樹氷が気持ちを一層高ぶらせます。
庄太郎さんと矢島さん。
その後ろにはロープウェイの駅が見えます。
地蔵岳に向かう途中のパノラマ。
本当に見事な樹氷が私達を迎えてくれました。
シーズン中に2〜3回あるかないかの好天に恵まれました。
山の神様に感謝ですね。
地蔵岳から熊野岳に向かう途中。
振り返れば山形側の景色が続きます。
もうすぐ熊野岳に到着。自然と足が早まります。
早く頂上に行きたいと思う気持ちを抑えながらゆっくりと進みます。
使用したスノーシューはMSRライトニング アッセントです。
熊野岳山頂。
中央のくぼみが「御釜」です。
そのやや右上が刈田岳山頂。
蔵王刈田嶺神社奥の宮があります。
庄太郎さんと矢島さん。
二人はよくコンビを組んで様々な山を紹介しているそうです。
本当に息ピッタリで私も安心して歩くことができました。
連日の暴風がこのシュカブラを育て、私達に神秘的な山の素顔を見せてくれます。
蔵王の雄大さ、優しい表情の裏側にある怖さも全て含めて皆に愛される証です。
右上に見える山が熊野岳。
丁度反対側まで歩いて撮影した一枚。
目の前の登山道にスノーシューで歩いた後が確認できます。
左上の建物は宮城県側の山頂レストハウス。
夏場は星空ツアーでこの周辺をご案内しています。
少し歩くと御釜の雪庇に近づくため、慎重に慎重に。
ピーカン・無風の最高のコンディションでした。
刈田岳山頂で昼食を済ませ、いよいよ峩々に向かいます。
熊野岳まで戻り、名号峰を目指します。
この場所は熊野岳からだいぶ降りてきた地点ですね。
夏道でしたら何度も歩いたおなじみの場所ですが、雪が降ると全く違った様子。
本当に貴重な経験をしました。
そして自分の慣れ親しんだ山をまたひとつ愛おしく思える時を刻みました。
道中何度も「ここを滑ってみたい」と思いました。
ゆっくりと歩を進めることでこみ上げてくる感情もまた喜びでした。
この感覚は絶対に忘れたくない。
高橋庄太郎という人物に触れ、山への情熱を新たにしました。
別け隔てなく与えられる山の恵み、豊かさ、好奇心、ロマン。
自分はその上に生きている。
自らの山での営みが沢山の方を喜ばせる。
それが一生の仕事ならば、偽りなく本望です。

今回の山行で本当に沢山の事を学ばせて頂きました。
蔵王の素晴らしさをお客様に伝える役目を担った自身の仕事。
これからも大切にしようと思いました。
そしてもっともっと知らない山に向かいたいと心に決めました。

今年は庄太郎さんにアドバイスして頂きました3つの山を目指します!



PEAKS(ピークス) 2017年 02 月号 [雑誌]

エイ出版社 (2017-01-14)